宿なし狐
化 HR 妖力24妖術:スペシャルハウスキーピング
【宿なし狐】やどなしぎつね
江戸時代の随筆集『兎園小説第八集』より。出淵忠左衛
門という侍の夢に狐が出て、「自分は稲荷の使いだが、
親に背いて追い出されたため住む所がない。帰れるよう
になるまで侍女に取り憑かせて欲しい」と頼んできた。
忠左衛門が了承したところ、次の日から侍女は狐の神通
力のせいか、今までの五倍の仕事をこなすようになった
という。
「この繕い物が終わったら昼餉のための御米を
研いで、浸す間に研ぎ汁で廊下を拭きましょ。
お献立は油揚げの味噌汁と干物を焼いて、そう
したら洗濯物が乾く頃だから取り込んで…そん
なわけで、御頭様のお相手をしている暇はない
の。ごめんなさいね。」
「あら、お手伝いしてくださるの?それはとっ
てもありがたいわ。それじゃあそこの縫い終
わった着物からしつけ糸を抜いてくださるかし
ら ?… って違うわ、その糸は解いちゃ駄目よ、
もう少し右の…あっ駄目 !!............やっぱり
お手伝いはいいわ。大人しく座っていてくださ
る?」
「ふう、御頭様の妨害にも負けず、出来る限り
の仕事をこなしたわ !… 言葉に棘がある?事実
だもの。御頭様ったらお手伝いと言いながらわ
ざと邪魔してるのかと思うくらい …!......でも
きっとそこが魅力なのね。私が居ないと駄目な
人だって思わせちゃう…罪な人!」

あやかし百