[小牧山]お初狐
化 SR 妖力35妖術:仏の顔も三度まで
【[小牧山]お初狐】こまきやまおはつきつね
愛知県に伝わる狐。小牧山一帯には多くの狐がおり、そ
の大親分を務める吉五郎狐の妻。乱れた恋愛を繰り返し
てきた吉五郎·お梅·東九朗と違って純朴。
「以前の身売り騒動の時は、大変お世話になり
ました。改めまして、吉五郎の妻のお初です。
お頭さまとお会いするはいつも、非常の時です
ね。夫も何かと騒動を起こしがちな質ですが、
百鬼夜行のお頭さまともなるとそれ以上のよう
な......お体が心配です。」
「夫が何をしていようと、その身さえ安全なら
ば良いのです。元気に遊び歩いているくらいの
ほうが、見ていて安心できますから。
ふふっ。普段はあんな感じですけど、有事の際
はとっても素敵なんですよ?
あの姿に見惚れたら、色のだらしなさなど些細
なものにしか思えません。
それに私、彼の軽口も謝罪の時の情けない顔も
嫌いじゃないんです。」
「彼らは私を泥中の花と例えますが、私からし
てみれば......泥は私で、花は彼らのほうなので
す。
いくら綺麗に着飾ろうと華やかに化けようと、
本物の花には敵わない。
吉五郎さんも、東九朗さんも、お梅さんも、小
牧の山ではその名を知らぬ者はいない狐です。
山狩りから私たちを守ってくれた彼らの姿を、
人間に牙をむき命をとして化かし続けたあの雄
を ..…. 私はきっと、一生忘れることができない
でしょう。
妄信しているのです。初めて見た時から、ずっ
と。」

あやかし百