照夜姫
妖 HR 妖力25妖術:姫の織物披露
【照夜姫】てるやひめ
宮城県の化女沼の近くに照夜姫という長者の娘がいた。
照夜姫は大変美しく、姫が沼のほとりに近づくと水面に
たくさんの蛇が集まった。
ある日、長者の家に寄った美男と恋仲になって子を産む
が、姫が産んだ子供は白蛇だった。白蛇が沼の底へと
入っていくと、姫も愛用の機織り道具を持って後を追
い、沼に入水。
それからというもの毎年7月7日には、沼の中から機織
りをする音が聞こえてくると伝えられている。
「私たちの馴れ初め話が聞きたいの?異類婚姻
なんて、妖界(ここ)じゃそんなに珍しいものでも
ないでしょうに ….. 酒の肴にひとの恋バナを聞
きたいだなんて、百鬼夜行のお頭さんも案外普
通の妖怪なのね。」
「前にも言ったけど私、元々は普通の人間だっ
たのよ。長者の家に生まれて何不自由なく育っ
た普通の女の子だったわ。
ある日うちに寄った旅の男ってのが、人に化け
たうちの主人だったんだけど......もう顔が好み
ど真ん中でね。会ったその日の夜には即恋仲
よ。
恋に落ちた世間知らずの娘の勢いって、怖いわ
よねえ。」
「沼に入った時点で人としては死んでしまった
けど、沼の主の妻として私は第二の長い長い生
を得た。色々言われることもあるけど、何も特
別なことじゃないわ。
だって私、好きな殿方の子を産んで、お嫁に
いっただけだもの。」

あやかし百