[蛇体の守護僧]立玄様
怪 SR 妖力36妖術:蛇道護身の廻向
【[蛇体の守護僧]立玄様】じゃたいのしゅごそうりゅう
げんさま
新潟県の郡殿(こおりどの)池あたりに伝わる。戦乱のさな
か立玄という僧が池に身を投げて大蛇となり、村人を戦
禍から守った。
「私は立玄、見ての通り旅の僧侶です。おや、
何やら疑っているようですね。信じられないと
言うのなら読経でもお聞かせいたしましょう
か。
......私が嘘をついていると?
正解だ、いい審美眼をお持ちじゃね一か。
どういうわけか誤解を与えやすい性分でな。面
倒事にならねーよう猫をかぶろうとしたんだ
が、余計に疑われちまったようだ。
偽って悪かったな。だが、立玄って名と旅の僧
侶ってのは嘘じゃないぜ。」
「生まれつきの悪人面に拍車がかかっちまった
が、蛇になったのを後悔したことはねーよ。
人並はずれた力を得るためには人であることを
辞める必要があった。だから俺は人をやめて蛇
になった。
それで守りたいものを守れたんだ、安いもんだ
ろ。
苦労はしたが、こうして人の姿を取り戻すこと
もできたしな。ま、一重に俺の努力の賜物
だ。」
「一切衆生を救おうなどという傲慢は持たず、
己が眼の届く範囲の弱き者を守る …… 力を持つ
奴がそういう心を持っていれば、この世はずい
ぶん優しいものになると思わね一か?
俺はそういう強者をひとりでも多く増やした
かった。だから道場法師に道場を開かせたん
だ。
祈りだけじゃ何も守れやしねえと身をもって
知っているからな。力無き者を救うのは祈りで
はなく力、弱いままじゃ何も守れやしねーんだ
よ!」

あやかし百