赤うで
妖 SR 妖力35妖術:曼手沙華
【赤うで】
長崎県諫早市の多良峠(たらとうげ)に、夜になると出た妖
怪。肝っ玉の大きさが自慢の男が夜の多良峠を歩いてい
ると、若い尼が現れた。尼が笑いかけたかと思うと尼の
腕が鳥居のように大きな赤い腕へと変わり、逃げる男を
どこまでも伸びて追いかけた。男は掴まってしまった
が、隙を見て大きな赤い腕を切り落とした。しかし逃げ
おおせた男が峠の頂上に向かうと、老婆に化けた赤うで
が既に先回りしていた。赤うでに完敗した男は以後、
肝っ玉の大きさを自慢しなくなった。
「私は赤うで。あなたは?
百鬼夜行の頭領?あら、意外と物騒ね。
さようなら、悪いけどそういう危ない奴らとは
関わらないようにしてるの。
嫌よ。百鬼夜行なんて絶対ダメ。だって妖怪中
を旅をして、世の酸いも甘いも全てを見ること
になるわけでしょう?
私はどうでもいいけど、そんなのよはかりの心
が持たないわ。あいつはーミリも知らない誰か
が苦しむ姿を見て、助けてあげられないって悲
しむような甘ちゃんなんだから。
......いい加減もう懲り懲りなのよ、あいつの泣
き顔を見るのは。」
「私もしつこい方だと思ってたけど、あんたも
大概よね。自覚が無いの?まぁ、私とよはかり
を百鬼夜行に誘いたいってあんたの気持ちは、
よーく分かったわ。
でも百鬼夜行に協力するか否かは別の話!
仲良くできるかどうかは、これからじっくり観
察とかした上でジャッジしていこうと思うの。
私のお眼鏡に適わなかったら時点で即アウト。
いいわね?
それじゃ早速、第一の試練·鬼ごっこ !!
なぁに?私は観察するだけなんて一言も言って
ないわよ。観察とか、って言ったの。
つまり、こういう抜き打ちテストもバンバン実
施するってこと。さあ、準備はいいかしら?
宣言するわ。私は絶対に手を抜かない。だから
気合入れて逃げ切りなさい!」
「下衆を煮込んだような糞野郎どもでよかっ
た。私、敵にはとことん下衆でいて欲しいタイ
プなの。だってその方が微塵も悩まずに握りつ
ぶせるもの。
––咲き狂え、曼手沙華 !!
百鬼夜行の頭領を追い詰めたこともある私の奥
の手よ。この手の中で逝けること、光栄に思い
なさい。」

あやかし百