青女房(手鞠)
怪 SR 妖力35妖術:恨み化粧
【青女房(手鞠)】あおにょうぼう てまり
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より。荒れ果てた屋敷に住
む女官姿の妖怪。誰かが訪れた時に備えてお歯黒などの
化粧をしているという。未熟な女性を指す「青女房」と
いう呼称から、石燕が言葉遊びとして創作した妖怪だと
いう説もある。
「私の屋敷にようこそ......こんな廃墟に来るな
んて、奇特な人ね。
私は青女房の手鞠。どんな妖怪かは知っている
かしら。こうした廃墟で訪れるはずもない客を
待つ情念の妖怪 ......そう考えてもらって構わな
いわ。だってそのほうが真っ当な妖怪らしいも
の。
......本当のところ、私に限っては、引きこもっ
てひたすら化粧の腕を磨いている、根暗職人気
質妖怪よ。」
「昔々は、誰かを待っていた気がするわ。え
え。元は人間ですもの。
待っていたのは恋しい人か、都からの頼りか、
故郷からの知らせか、来るはずもないあの人
か......キエエエエ !!!
......あ、ごめんなさいね。取り乱したわ。青女
房ってそういうところあるのよね。気にせず化
粧の腕だけ褒めてくれれば嬉しいわ。」
「うう......っ、どうして私はいつもこうなのか
しら?
私にはもうお化粧しかないのに、昔から褒めら
れたのはこれだけなのに …… 涙を流せば化粧は
落ちてしまうわ。それじゃああの人はやってこ
ない!名前も忘れたあの人は
............。ごめんなさいね。落ち着いたわ。
そうね......こんなところに一人でいるから、気
が滅入るのかもしれない。あなたたちの百鬼夜
行でお化粧の手伝いをしてみるわ。ありがと
う、お頭さん。あなた、優しいのね。」

あやかし百